この店は日本酒くださいと言うとそっから好きなの持ってって、炭酸欲しいと言えばそこから取って。カウンターには下品な話を大声でする逆三角。気のいいマスターと忙しくなると現れるらしい優しいおかみさんらしき人。まさに私の先生が行きそうな素晴らしい店。すべての肴が庶民的旨さで特別でもない酒が格別になる。壁一面に張られたメニューになんでだろう？ひっそりと描かれた豚。豚描きとしてはだまっていられない、絶対私の豚がいい。到着した豚ステーキは予想以上に柔らかくて味付けがジャンクで美味し過ぎてたまらない。これはと思い渾身で豚ちゃんの絵を届けステーキをおかわり、しようと思ったらまさかの品切れ。ならばと豚串をおかわり、しようと思ったらそうだよね豚･･･全滅、豚もうないんだもんね。絵というのは観察眼が大事であるというのは本当で、調子にのって初めて描いた馬は旨く無いと不評しかし刺身のほうはちゃんと馬い。あれよあれよという間に閉店の時間が到来、これから先はこんな良い酒しか呑まないと決意したひと時。酒を求め肴を求めさまよう。こんな酒場放浪にはまりそうな気が。